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防犯カメラに10人 ブルガリア系集団によるATMスキミング

13.02.04

新生銀行の支店などで昨年10~12月、現金自動預払機(ATM)にカード情報を読み取る「スキミング装置」が取り付けられ、顧客の預金が不正に引き出された。警視庁が電子計算機使用詐欺などの容疑で捜査し、店舗の防犯カメラに東欧系の男女約10人が装置を設置する様子などが写っていたことが判明。一部がブルガリア語で会話しており、ブルガリア系集団の犯行とみている。海外では同様のスキミング事件でブルガリア系集団の摘発が相次いでおり、日本にも侵食している実態が明らかになった。

捜査関係者によると、スキミング装置が設置されたのは新生銀とシティバンク銀の東京、埼玉、千葉の3都県6店舗。顧客130人のカード情報が盗まれ、カンボジアで30人の預金約600万円が引き出された。

 スキミング装置はカード挿入口に似た形で、実際のカード挿入口の上にかぶせるように設置。都内の店舗の防犯カメラには東欧系の人物が装置を付け、暗証番号を入力する手元を狙った隠しカメラを設置する姿が写っていた。

 隠しカメラは箱状などで遮蔽板に貼り付けられていた。また、都内のシティバンク銀の店舗では7~10月、海外でスキミングされたとみられる欧米系の顧客のカード情報で数百万円が不正に引き出され、スキミング装置を付けた人物と酷似していたという。

 犯行グループは男女約10人とみられる。スキミング装置を午前中に取り付け、同じ日の午後に取り外すなどしたが、一部を行員が見つけ発覚。警視庁組織犯罪対策特別捜査隊は一部がブルガリア語で会話しているのを突き止めた。

 世界各国では近年、ブルガリア系集団によるスキミング犯罪が後を絶たない。昨年だけでも東欧のほか、南極を除く5大陸すべての警察当局に摘発された。

 ブルガリア最大の英語ニュースサイト「ノビニテ」によると、摘発された国はブルガリア、フランス、スペイン、アイルランド、米国、ニュージーランド、タイ、チリ、ウガンダの少なくとも9カ国。数千万円相当の預金を引き出していたグループもある。

 タンザニアで逮捕された容疑者は警察当局に「ブルガリアでスキミングの方法を習った」と供述。ブルガリアの空港から南米向けのスキミング装置が押収されており、ブルガリアが人員だけでなく、装置拡散の拠点となっていることが明るみに出た。

 ブルガリア外交筋によると、同国ではマフィアが表社会も侵食しているとされ、「マフィアの支援で、スキミング集団が世界中を飛び回っていても不思議ではない」と指摘する。

 年明け後も同国からドイツにスキミング装置を輸送しようとして摘発されており、犯行グループが手を緩める気配はない。

  スキミング集団は短期間で国内外を出入りする「ヒットアンドアウェー型」で、犯行を繰り返しているとみられる。

 また、日本では欧米系の顧客名義のカードで預金を引き出す一方、日本で盗まれたカード情報はカンボジアで使用するなど、「スキミングと預金の引き出しを別々の国にすることで、発覚を遅らせているのではないか」(捜査関係者)。預金を引き出す際は、最初は少額で、次から金額を引き上げる手口が目立つ。捜査関係者は「限度額を探っているのか、慎重で巧妙だ。スキミング装置も小さく、観光客を装いカバン一つで各国を転々としている可能性もある」と分析する。(参考:2月4日 産経新聞)